2015.10.10WATCH REPAIR
お客様からご依頼の修理です。ベルトの中のピンが錆びてパーツが欠落しています。
ベルト調整をした際に外したコマが保管してないとのことで、メーカーに問い合わせたところ、ベルト部品の在庫がなくなっているので修理不能とのこと。
日本中の時計店ではメーカーで修理不能のためにご返却・・・ということになるのですが、当店ではステンレスから削り出して部品の製作をやってみました。
部品が欠落してステンレスのピンも欠落した態です。
拡大すると端の鏡面のパーツがないのがわかります。
端のパーツは2本のピンで留まっているのですがネジの部分が錆びでパーツが落ちたようです。
無くなったパーツの寸法を確認しながらステンレスを削り込んでいきます。
ヤスリで削りながら大まかな形を作っていきます。
縦・横の寸法を正確に合わせていきます。
曲面のカーブなどをよく観察します。
カーブなどの形状を合わせ、バフをかけてピカピカの鏡面仕上げにします。
糸鋸で厚みを確認して切断します。
ベルトに乗せてみるとこんな感じ!完璧なステンレスのパーツが出来上がりました。この後、パーツの裏側にもう一つの貫通しない穴を開けます。
また本体側の錆びたネジも除去しなくてはなりません。これも手間のかかるやっかいな作業です。
修理料金はこのステンレス製の部品製作・ステンレスのピン製作・錆びたネジの撤去とネジ合わせなど合計で8、000円+消費税になります。