2023.03.16WATCH REPAIR
カルティエ マストコリゼは80年代に登場したカルティエのジュエリーウォッチの代表作の一つです。
カルティエは、ジュエリーや時計などのアイテムはゴールドやプラチナを使用していましたが「マスト ドゥ カルティエ」のシリーズでは銀を用いて時計を製造しました。このマストコリゼの他にマストタンク、マストヴァンドームなどが有名です。
マストコリゼは小さめのフェイスが女性の可憐さを感じさせてくれるデザインで、ベルトを付けるラグ部が特有のアクセントになっています。また「コリゼ」は古代ローマの円形競技場から名づけられたと言われています。
こちらが送られてきたカルティエ マストコリゼです。
ご覧のように真っ黒になっています。これは「マスト ドゥ カルティエ」シリーズの特有の変化で本体ケースや裏蓋に使用されているシルバー素材の銀イオンが18金メッキを通り越して表面で空気中の硫化水素と反応して硫化銀になってしまう為です。詳しくは以下のブログをご覧ください。
https://kaido-co.jp/watch-repair/cartier-repair20220603/
こちらが裏蓋です。こちらもかなり黒く変色しています。このマストコリゼは上下の2本の小さなネジで裏蓋を固定しますが、この小さなネジも真っ黒になっています。当店ではこの小さなネジや刻印の中の黒い変色も完全に取り去って綺麗にします。
時計を分解した状態です。この後にガラスを外してから変色取りをしっかり行い研磨をします。時計ケースの12側の縦の2本のライン上に楕円形の模様のようなものが2つ見えます。これは摩耗によりメッキが剥げている箇所です。
研磨をしてから5ミクロンメッキをして時計を組み立てました。12時側のラグ部のメッキが剥げている部分も研磨と再メッキによりとても綺麗になっています。
こちらが裏蓋側です。変色を取ってヘアライン仕上げをしていますので傷も無くとても綺麗になっています。
こちらのカルティエマストコリゼの研磨と5ミクロンメッキの料金は27,500円(税込)となっています。
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