2021.08.22WATCH REPAIR
カルティエの腕時計の変色を取る修理です。
このカルティエのヴェルメイユという金の薄膜を貼ったシリーズはどうも変色することが多いようです。これまで何度か記載をしましたが、18金という金属は純金が75%と銀や銅を25%混ぜた合金です。この18金に含まれる75%の純金は酸化しない(錆びない)ので黒くなりませんが、残りの25%の銀や銅は長い時間が経過すると空気中で酸化して黒っぽい色になります。これが18金が黒くなる原因です。
しかしオメガやセイコーなどの18金メッキをしてある時計ではよほど長い期間放置しないと変色することはありません。。このカルティエの腕時計はシルバー925の素材の上に薄膜の18金をヴェルメイユという技法で貼ってあります。18金の薄膜自体も酸化して黒くなる可能性はありますが、どうも本体の素材のシルバー925が表面のヴェルメイユの薄膜を黒くさせるのを促進させているのではないか?と思います。
こちらが今回の変色を取るカルティエのタンクです。全体に変色が進んでいます。
こちらが裏面の写真です。表面より変色が激しいようです。この時計は裏面の上下に文字の刻印がされているので個人情報保護のために画像ではぼかしてあります。
時計を分解して本体ケースと裏蓋の変色を取りました。本体ケースは変色を取った後にバフ研磨をして細かい擦り傷も取り除いてあります。また、裏蓋には軽くヘアラインの作業をしてあります。
時計を組み立てて完成しました。ケースの擦り傷が取れてピカピカになったので、逆にガラスのキズが目立つようになりました。
こちらの写真が裏面です。変色は綺麗に取れています。
出来上がりの写真をお客様に確認していただくと、ガラスも交換して欲しいとのことでした。ガラス交換を終えるとさらに美しくピカピカのカルティエのタンクに生まれ変わりました。
今回のカルティエ【Cartier】の修理料金
作業内容 : 変色取り、本体研磨、ヘアライン修理+ガラス交換(通常品)
修理費用 : 19,800円(税込)(15,400円+4,400円)
※ 往復の送料は無料です。
修理ご希望の方にはお近くのコンビニから当店に無料(着払い)で送ることができる「らくらく送付キット」をお送りいたします。【LINE】または【お問い合せフォーム】から「郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号」をお知らせください。またLINEやメールでお時計の写真をお送り頂くと詳しいご説明が返信できますのでお気軽にご相談ください。
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