2021.04.12WATCH REPAIR
今回のご依頼はカルティエ タンク フランセーズです。当店に寄せられる変色を取る修理では珍しい機種です。
それは何故か?通常の革ベルトを付けるカルティエのタンクやマストコリゼは本体がSilver925で出来ており、その上にヴェルメイユという技法で18金の薄膜を貼っています。どうもこのシルバー(銀)の素材に薄膜を貼ってあるので銀の酸化が激しいように思います。
今回のカルティエのフランセーズは基本はステンレスでコンビの金色の部分だけはメッキをしているのだと思います。下地がステンレスなので酸化はしにくいと思われます。
(解説1)18金や18金メッキが茶色に変色する原因
18金は純金が75%と銀や銅を25%混ぜた合金です。18金に含まれる純金自体は酸化(錆)しませんが、25%含まれている銀や銅は長い時間が経過すると酸化(錆)して18金が褐色がかった金色になります。これは18金メッキでも同じで、長い時間の経過で褐色になってきます。
送られてきたカルティエ・タンク・フランセーズです。金色の部分が褐色になっています。
拡大したして撮影したものです。かなり褐色になっている箇所もあります。
ベルトを本体から外しました。
これらの褐色になった変色を取り除いていきます。
変色を取り除きました。本来の18金の色に戻りました。
時計本体にベルトを取り付けて完成です。このフランセーズは傷も少ないので大切に保管していたのだろうと思います。これから時々は腕に嵌めて使っていただきたいと思います。
(解説2)今後、また黒くならないようにする為には…
①なるべく腕にはめて使用する。
②時々は柔らかい布で表面をよく拭いて磨く。
この2点を心掛けてください。時計の表面に摩擦があると酸化(錆)を抑えることが出来ます。
カルティエ はとても良い時計です。変色を防止しながら永らくご愛用いただきたいと思います。
作業内容 : カルティエ変色取り修理
修理費用 : 9,900円(税込)
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