2024.11.24WATCH REPAIR
カルティエタンクといえば、その優美で洗練されたデザインで世界中の時計愛好家を魅了してきた名作です。その歴史を振り返りつつ、当店で行っている研磨と18金の再メッキ修理についてご紹介します。
カルティエタンクの初代モデルは、1917年、第一次世界大戦中に誕生しました。そのデザインは、当時の戦車からインスピレーションを受けて生み出されたものです。直線と曲線を巧みに融合させたタンクのフォルムは、先進的なデザインとして評価され、アール・デコ時代の象徴とも言える存在となりました。タンクを愛する人々は「タンキスト」と呼ばれ、性別や年代を問わず、多くの著名人にも愛用されました。
初期のタンクモデルの多くは、シルバー925(スターリングシルバー)を素材として使用しています。この上に18金メッキが施されているため、高級感と耐久性を兼ね備えています。しかし、シルバー特有の性質として、経年により黒く変色してしまうことがあります。さらに、長年愛用していると、メッキが剥がれたり傷が付いたりすることも避けられません。
今回のタンクは黒ずんでいる・・・というより、写真のように全体的にメッキが剥げて銀色になっています。
通常のタンクのメッキの剥げ方は本体の四隅だけがメッキが剥がれて他の部分は金色が残っています。しかし、このように全体的に銀色に剥げている場合は、過去に研磨でメッキを落として0.8ミクロン程度の薄い再メッキ修理がしてあるということの証となります。このようなタンクが送られてきた場合はお客様に「中古で買われましたか?」と質問すると100%「そうです。中古で買いました」とのお返事があります。
当店では耐久性のことを考えて、日本のあちこちのメッキ工場に問い合わせをして、その中で一番厚い5ミクロンのメッキを施工しています。
当店では、タンクの美しさを取り戻すための修理を丁寧に行っています。その具体的なプロセスをご紹介します。
カルティエのお店でも匙を投げられた真っ黒に変色したヴェルメイユと、どこにも出せなかったボロボロの母のテクノスの腕時計、どちらも思い出の品物ですが、どうにもできずに困っていたところネットでカイドーさんを見つけ、最後の砦と思ってお願いしました。
カイドーさんによって息を吹き込まれた2つの時計は新品同様に生まれ変わりました。
輝きを取り戻した腕時計たちを見て、手に入れた当時の思い出が鮮やかに蘇り本当に嬉しくなりました。
ラインによる丁寧なやり取りにお人柄が伝わり、事前にしっかりと見積もりしてくださるので安心してお願い出来ました。
宅配の着払いで品物を送る気軽さはコロナ禍の時代にぴったりのシステムで代金は大変お安いと思います。都内ではまず有り得ない料金です。
修理後のお手入れについてもしっかり説明してくださるのも有り難く、修理ブログも読み応えがあります。
また是非何かありましたらお願いしたいです。
この度はありがとうございました。
https://kaido-co.jp/watch-repair/