2025.05.18WATCH REPAIR
カルティエの名作「マストコリゼ」は、古代ローマの円形競技場“コロッセオ”に由来する、優雅なラウンドフォルムが特徴的な時計です。滑らかな曲線を描くケースと、ベルトとケースの独特な繋ぎ目が生み出すデザインは、他ブランドとは一線を画す上質さを放っています。
しかし、本体の素材がシルバー925で出来ている為に、保管状況によって、ケースや裏蓋、ネジなどに変色が生じることがあります。特に何年も使わずに放置していると、空気中の硫化水素と反応して、全体が茶色くくすんでしまいます。さらに年数が経つと真っ黒になることも少なくありません。
当店では、こうした変色の修復に力を入れており、多くのお客様からご好評をいただいています。今回は、茶色く変色したマストコリゼのケースと裏蓋、さらにネジに至るまで、丁寧な変色取り作業を行いました。
こちらがお預かり時の写真です。表側も裏蓋側も茶色く変色しています。この状態ではなかなか腕には付けづらいですよね。
こちらが変色取り修理をした後です。修理前はくすみと変色が目立っていた部分が、作業後にはまるで新品のような明るく上品なゴールドの輝きを取り戻しています。写真をご覧いただくと、その違いは一目瞭然です。
実際に仕上がった時計をお客様にお渡しした際には、「まるで新品のよう!」「思い出の時計がこんなに綺麗になるなんて」と大変喜んでいただけました。
思い出の詰まった一本だからこそ、もう一度美しい姿で腕に着けたいという想いに、私たちは技術で応えます。マストコリゼをはじめ、変色や経年劣化でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。時計本来の輝きとともに、お客様の笑顔を取り戻すお手伝いをいたします。