カルティエタンクの輝きを蘇らせる——研磨と18金再メッキ修理のご紹介
世界中の時計愛好家に愛され続けてきた名作「カルティエタンク」。その洗練されたデザインと気品ある佇まいは、長年にわたり人々を魅了してきました。今回は、そのタンクの歴史を振り返りながら、当店で行っている“研磨”と“18金再メッキ”による修理サービスについてご紹介いたします。
カルティエタンク誕生の背景
タンクが最初に世に出たのは1917年、第一次世界大戦のさなかでした。その名の通り、戦車(タンク)の俯瞰図から着想を得た独特なケース形状は、縦枠をキャタピラ、文字盤を操縦席に見立ててデザインされたものです。直線と曲線を巧みに融合させたその姿は、アール・デコ様式の象徴として高く評価され、今なお多くの人々の心を掴み続けています。熱心な愛用者は「タンキスト」とも呼ばれ、男女問わず著名人にも多くのファンがいます。
使用素材と経年による変化
このタンクシリーズには、スターリングシルバー(シルバー925)に18金メッキを施したケースが使用されていました。この構造により、シルバー特有のやわらかな輝きと、ゴールドの華やかさを併せ持っています。
しかし、長年使用することで、シルバー部分が酸化して黒ずんだり、表面の金メッキが剥がれたりすることがあります。さらに過去に薄い再メッキ処理が行われていた場合、全体が銀色に見えてしまうこともあります。
今回お預かりしたカルティエタンクの状態
今回お預かりしたタンクも、全体的に真っ黒に変色して、本体の四隅のメッキも剥がれて、地金のシルバーがむき出しになっていました。
当店で行う修理の流れ
当店では、見た目だけでなく耐久性も考慮した丁寧な修理を心がけております。以下がその一連の工程です。
1. 分解作業
まずは時計を丁寧に分解し、各部品を状態に応じて個別に作業できるように準備します。
2. 研磨処理
次に、表面に残るキズやくすみを研磨して整え、元の輝きを取り戻します。文字盤側は鏡面仕上げ、裏蓋はヘアライン加工を施すことで、高級感のある風合いを再現します。
3. 再メッキ(18金)
研磨後、各パーツに厚さ5ミクロンの18金メッキを施します。これは通常のメッキよりもはるかに厚く、長期間にわたり金色の美しさを維持することが可能です。
4. 組み立て
最後に各パーツを組み立て直し、外観・機能ともに本来の姿を取り戻した状態でお客様にお返しします。
修理前後の比較とお客様の声
修理前は黒ずみが広がり、メッキが剥げ落ちた状態だったカルティエタンクも、研磨と厚メッキ処理によって見違えるように美しく蘇りました。ビフォー・アフターの写真を見比べると、その違いは一目瞭然です。
お客様からは、以下のような喜びの声をいただきました:
カルティエの店舗でも修理を断られた黒ずんだヴェルメイユ、思い出の詰まった時計でしたが、どうにもできずに困っていた時にカイドーさんびホームページを見つけました。
お願いした時計は、新品のように生まれ変わりました。手元に戻ってきた時計を見て、購入した当時の思い出が鮮明に蘇りました。本当に感謝しています。
LINEでの丁寧なやり取りや、明朗な事前見積もりも安心できました。送料着払いでのやり取りも便利で、特に都内では考えられないような良心的な価格設定でした。
修理後の取り扱いについても丁寧にご説明いただき、ブログの内容もとても参考になります。
また何かあればぜひお願いしたいと思います。この度は本当にありがとうございました。
最後に
カルティエタンクのような特別な時計は、時代を超えて受け継がれていく価値があります。当店では、そうしたお客様の大切な一本を、心を込めて修復いたします。再メッキや研磨をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
▶ 詳しくは当店ウェブサイトへ:
https://kaido-co.jp/watch-repair/