2025.07.29WATCH REPAIR
世界中の時計ファンに長年愛されてきた名作「カルティエタンク」。その洗練されたデザインと気品あふれる佇まいは、時代を超えて人々を魅了し続けています。今回は、カルティエタンクの歴史に触れつつ、当店で行っている「研磨」と「18金再メッキ」による修理サービスをご紹介します。
タンクが初めて登場したのは、第一次世界大戦下の1917年のこと。その名が示す通り、デザインの着想源は戦車(タンク)の俯瞰図でした。縦枠をキャタピラ、文字盤を操縦席に見立てた大胆なデザインは、直線と曲線の美しい調和を生み出し、アール・デコの象徴として高い評価を得ました。今なお多くの著名人に愛され、熱心な愛用者は「タンキスト」と呼ばれています。
初期のタンクモデルには、スターリングシルバー(シルバー925)のケースに18金メッキが施されています。この組み合わせは、銀特有の柔らかい輝きと金の華やかさを兼ね備えています。
ただし、長年使用するうちにシルバーは酸化して黒ずみやすく、表面の金メッキも剥がれたりします。また中古で買われたタンクは、過去に研磨と薄い再メッキ(およそ0.8ミクロン)がされていることが多く、その場合はメッキが取れて全体的に銀色が目立ってしまうことがあります。
今回お預かりしたタンクは、メッキが剥がれ落ち、地金のシルバーが露出した状態でした。このように一般的なメッキ剥がれは本体の四隅の部分から進みます。ただこのタンクは側面と裏蓋にまで激しいメッキの剥がれがあります。ここまでボロボロにメッキが剥がれるのは珍しかと思います。
当店では、外観の美しさと耐久性を両立させるため、次のような工程で修理を行っています。
1. 分解作業
時計を慎重に分解し、各パーツごとに最適な状態で作業を行えるように準備します。
2. 研磨処理
キズや凹みを取り除き、鏡面仕上げで光沢を復元します。裏蓋にはヘアライン加工を施し、質感を引き締めます。
3. 18金再メッキ
研磨後、5ミクロンの厚みをもつ18金メッキを丁寧に施します。この厚さは日本の一般的な厚みの0.8ミクロンよりもはるかに厚く、美しさが長持ちします。
4. 組み立て
最後にすべてのパーツを組み直し、外観・機能ともに元の輝きを取り戻します。
修理前は黒ずみとメッキの剥がれが目立っていたカルティエタンクも、研磨と厚い18金メッキにより、まるで新品のような美しさに生まれ変わりました。ビフォー・アフターの写真を見比べると、その変化は一目でわかります。
研磨と5ミクロンメッキの修理料金は33,000円(税込)となります。
お客様の声:
Googleでの口コミの評判がとても高いのでご依頼しました。LINEでの丁寧なやり取りや事前見積もりが安心でき、送料着払いのサービスも便利で、都内では考えられないほど良心的な価格設定でした。
修理後のケアについても詳しく説明いただき、ブログの内容も非常に参考になりました。
また機会があれば、ぜひお願いしたいと思います。この度はありがとうございました。
カルティエタンクのような歴史的な名作は、時代を超えて価値を持ち続ける存在です。当店では、お客様の大切な一本を職人の手で丁寧に蘇らせます。研磨や再メッキをご検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせください。
▶ 詳しくは当店ウェブサイトへ:
https://kaido-co.jp/watch-repair/