2025.08.10WATCH REPAIR
長きにわたり世界中の時計愛好家を魅了してきた「カルティエタンク」。その端正なフォルムとエレガントな雰囲気は、世代を超えて人々を惹きつけてやみません。今回は、タンクの誕生秘話とともに、当店が行っている研磨・18金再メッキによる修理サービスをご案内します。
1917年、第一次世界大戦のさなかに生まれたカルティエタンク。その名の通り、戦車(タンク)の上面図から着想を得たデザインです。縦枠はキャタピラ、文字盤は操縦席を象徴しており、直線と曲線の絶妙なバランスがアール・デコ様式の代表として高く評価されました。今日でも数多くの著名人に愛され、熱心な愛用者は「タンキスト」と呼ばれています。
初期モデルはシルバー925のケースに18金メッキを施した構造で、銀の柔らかな輝きと金の華やかさを兼ね備えています。
しかし年月の経過とともに、銀は酸化して黒ずみやすく、表面のメッキも摩耗や剥がれが発生します。
今回お預かりした一本は、本体ケースや裏蓋まで真っ黒に変色して、メッキも剥がれている箇所がありました。
美しさと耐久性の両立を目指し、以下の流れで作業を進めます。
分解
時計を丁寧に分解し、パーツごとに作業がしやすい状態にします。
研磨
変色を完全に取り去った後に、研磨で傷や小さな凹みを取り除き、鏡面仕上げで光沢を復元。裏蓋にはヘアライン加工を施し、質感を引き締めます。
18金再メッキ
5ミクロンの厚みをもつ18金メッキを施します。国内標準の約6倍の厚さがあり、美しさが長持ちします。
組み立て
全パーツを組み直し、外観と機能を元の状態へと回復させます。
黒ずみや剥がれが目立っていたケースも、研磨と厚い18金メッキにより、新品のような輝きを取り戻しました。ビフォー・アフターの違いは一目瞭然です。
研磨+5ミクロン再メッキの料金は 33,000円(税込) です。
カルティエタンクは、時代を超えて価値を保ち続ける稀有な名作です。当店では熟練職人が一本一本を丁寧に修復し、再び手に取ったときの感動を蘇らせます。研磨や再メッキをお考えの方は、ぜひご相談ください。
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