2024.05.27WATCH REPAIR
今回のカルティエマストタンクはメッキの剥離が激しい時計です。
こちらが送られてきたカルティエマストタンクです。表面の四隅のメッキが剥がれていて、これはこれまで当店に送らて来た多くのタンクと同じメッキの剥げ方です。
しかし裏面はこの通り。メッキがパラリ、パラリと剥がれてきているのが分かると思います。実はこのような症状は重症なのです。このように下地のシルバー925の表面からメッキがパラパラと剥がれてきているということは、これから他の部分もまもなく剥がれてくる・・・という危険信号なのです。いや、実際には時計を分解すると、既に裏蓋の裏側や本体ケースのラグの部分がパラパラと剥がれてきていることが多いのです。
研磨により表面のメッキを取り去って、表面の本体ケースはピカピカの鏡面仕上げにします。裏蓋は縁を鏡面仕上げにしてから、平らな面はヘアライン加工をして艶消しにします。
この修理後の写真を見ていただくと、修理前の状態からいかに綺麗になったかがお分かりいただけるかと思います。