2021.09.20WATCH REPAIR

カルティエ腕時計の変色修理

カルティエ マストコリゼ ヴェルメイユの変色除去の修理をご依頼いただきました。

この丸いデザインのカルティエのマストコリゼと四角いデザインのカルティエのタンクの時計はとても人気が高く、愛用されているユーザーが多いようです。しかし、このマストコリゼとタンクの時計を持っているユーザーには共通の悩みがあります。それは「変色」です。

何故、カルティエ【Cartier】の時計は変色するのか?

このカルティエのシリーズは他の時計メーカーに比べると変色が激しく、放置しておくと真っ黒になってしまいます。では、何故そうなるのか?をご説明させていただきます。

カルティエ マストコリゼ 変色取り修理前表面

時計のケースの素材は昭和初期~30年代は真鍮に金メッキやクロムメッキをしたものが主流でした。その後、ケースの素材にステンレスが使われるようになり、今に至ります。

また、一部にはケースの素材に18金を使う高級品も少数ですが古くから存在しました。しかし、この18金を使うと時計の金額が2桁ほど高くなってしまいます。
そこで高級品のイメージを出しながら、18金ほど高くなりにくい素材を探すと・・・銀(シルバー)ということになります。

実は金と銀には決定的な大きな違いがあります。それは金は酸化しない(錆びない)が、銀は酸化(錆び)するので黒く変色してしまいます。金と銀に水分を付着させて空気中に1か月放置すると、金は全く変化せずピカピカの金色のままですが、銀は真っ黒に変化してしまいます。

カルティエ マストコリゼ 変色取り修理前裏面

今回の修理依頼品のカルティエのマストコリゼはケースの素材にこのシルバー925を使っています。そしてこのシルバー925の素材の上にヴェルメイユという金貼りを施してあります。本来はシルバー925の上にしっかり金の薄膜が貼ってあるので酸化(錆び)を金の皮膜が抑えてくれそうなのですが、これが全く違うのです。

再び黒く変色させない為の研究

福井県の鯖江市はメガネの国内生産量の96%のシェアを誇っています。この鯖江はメガネフレームの素材研究でチタン加工やメッキ加工の技術が進んでいます。今、この鯖江のメッキ加工の社長さんと、なぜこのように変色してしまうのか?また、今後は変色させない為にどのような再メッキをしたらいいのか?その技法について相談をしています。

カルティエのマストコリゼやタンクのヴェルメイユが何故こんなに真っ黒に変色してしまうのか?それは銀と金の金属同士の相性にも関係があるようです。
銀の素材の上に金の薄膜を貼ってある状態は電気(イオン)を通しやすいとのことです。表面に貼ってある金の皮膜に空気中の湿気や水分が接触、または手で接触することで金の薄膜を通して下の銀に電気(イオン)が流れて、下の銀が酸化(錆び)して、この酸化(錆び)が表面に浮き出てくるようです。簡単に言うと金の皮膜で銀を覆っていますが、金は電気(イオン)を通しやすく銀だけの素材に近い状態になっているので酸化(錆び)が起きやすいということになります。特に温度や湿度の高い環境ではこの変色が激しくなります。

カルティエ マストコリゼ 変色取り分解研磨後

当店独自のカルティエ【Cartier】の変色取りの作業

それではお客様からご依頼のカルティエのマストコリゼの変色取り修理を進めていきましょう。最初に時計を分解して変色した各パーツを取り出します。本体ケース、裏蓋、ネジ、尾錠です。

当社は宝飾品の変色を取り去る電気イオンを使った変色取りの機械を所有していますが、この機械では真っ黒な変色や裏蓋の刻印の中の変色などは完全に取り去ることが出来ないので、色々と研究をした結果、特殊な洗浄液を使って時間をかけて丁寧に変色を取り去ることにしています。

カルティエ マストコリゼ 変色取り組み立て表面

当店の変色取り修理の特徴ですが、本体ケースは変色を取り去った後で艶出しの軽いバフ研磨仕上げを行います。このことにより細かい擦り傷が取れてピカピカの状態になります。ただ深い打ち傷まで取り去ろうとすると、ヴェルメイユが剥がれて下地のシルバーが見えてしまうので、深い打ち傷は残すようにしています。

カルティエ マストコリゼ 変色取り組み立て裏面

裏蓋ですが、こちらも変色取りをしっかり行います。この時計の場合は中心にシールが貼ってあったので変色が少なかったのですが、通常はシリアルナンバーや刻印類が特に黒く変色しているので時間をかけて丁寧に変色取りを行います。また、変色を取り去った後にヘアラインを入れて細かな擦り傷を目立たなくしています。

当店の電池交換について

カルティエ マストコリゼ 電池交換

今回は電池交換のご依頼も受けていたので、電池交換も行いました。この画像の丸い電池の右側(3時の方向のJAPANのNの横)にとても小さな接点があります。この接点は電池の+を取るのですが、一般の時計店の電池交換作業で、この接点を曲げてしまうトラブルが多く見受けます。詳しくは当店の別のブログでご確認ください。当店の電池交換の料金はカルティエ、オメガ、フランクミューラーなどスイスメーカーは2,200円(税込)です。

カルティエ【Cartier】は特殊なベルトを使用します。

カルティエ マストコリゼ ベルト交換

今回はベルトの交換もご依頼でしたのでSEIKOのノイエという時計の専用ベルトをお薦めしました。カルティエのマストコリゼは本体に付ける位置のミリ数と尾錠のミリ数がほぼ同じなので平行になった特殊なベルトになります。このようなベルトは流通が少なく、このノイエの専用ベルトは本ワニ革の高級感があり仕立ても美しく、色も5色あるのでお薦めしています。

カルティエ【Cartier】の変色取り作業が完了しました。

カルティエ マストコリゼ 変色取り完成表面

時計を組み上げて本ワニ皮のグレー色のベルトを装着しました。ケースはバフ研磨でピカピカになりました。一番上のお預かり時の写真と比べると雲泥の差です。

カルティエ マストコリゼ 変色取り完成裏面

こちらが組み立て後の裏面です。変色を取り去って、擦り傷が目立たなくなるようにヘアラインを入れてあります。最後に傷防止のシールを貼って完成です。

これからの変色を抑えるための知恵

今後、また黒くならないようにする為には…
①なるべく腕にはめて使用する。
②時々は柔らかい布で表面をよく拭いて磨く。
この2点を心掛けてください。時計の表面に摩擦があると酸化(錆)を抑えることが出来ます。
また、長期間、時計を使用されない場合は時計を柔らかい布で表面を拭き上げてから、ジップロックなどのチャックの付いた袋に入れて、空気を抜いた密閉した状態で保管してください。

今回のカルティエ【Cartier】の修理料金

作業内容 : 変色取り修理+電池交換+ワニ皮ベルト交換
修理費用 : 22,000円(税込)(9,900円+2,200円+9,900円)
※ 往復の送料は無料です。

修理ご希望の方にはお近くのコンビニから当店に無料(着払い)で送ることができる「らくらく送付キット」をお送りいたします。【LINE】または【お問い合せフォーム】から「郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号」をお知らせください。またLINEやメールでお時計の写真をお送り頂くと詳しいご説明が返信できますのでお気軽にご相談ください。

他の修理事例については【こちら】からご覧ください。

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