甦る輝き!変色したカルティエ マストタンクが新品同様に生まれ変わるまで
「時を超えて愛される名品」そんな言葉がぴったりなカルティエの時計。中でも「マストタンク」は、その普遍的なデザインで多くの人々を魅了し続けています。
しかし、長年愛用していると避けられないのが、時計の「経年劣化」です。今回ご依頼いただいたのは、まさにそんな一本。真っ黒に変色し、四隅のメッキが剥がれてしまったクオーツのカルティエ マストタンクでした。
ご覧ください、この輝き!まるで時を巻き戻したかのように、新品当時の美しい姿を取り戻しました。今回の修理が、いかに丁寧な工程を経て行われたか、その秘密をご紹介しましょう。
【修理工程】変色から新品の輝きへ


- 徹底的な変色の除去 まず、長年の使用で付着した頑固な変色を、特殊な技術で完全に除去しました。この工程が、美しい再メッキの土台となります。
- 熟練の研磨技術 変色を除去した後、時計本体を丁寧に研磨します。鏡面のように滑らかな輝きを取り戻すため、職人の熟練した技術が光ります。
- 贅沢な5ミクロン再メッキ 最後に、5ミクロンという厚みのある再メッキを施しました。一般的なメッキよりも遥かに厚いため、耐久性はもちろん、その輝きも格別です。
裏蓋もこの通り。刻印もくっきりと読み取れるようになり、まさに「完璧な復活」と言えるでしょう。
カルティエ マストタンクの再メッキ修理は、ぜひ専門の技術者にご相談ください。
【カルティエのブランド秘話】「タンク」誕生秘話とその魅力
カルティエの「タンク」コレクションは、その独特のフォルムと歴史的背景から、時計愛好家の間で特に高い人気を誇ります。では、この名作はどのようにして生まれたのでしょうか?
- 第一次世界大戦と戦車の影響 「タンク」という名前は、第一次世界大戦中に活躍したルノー製の戦車の形状にインスピレーションを受けていると言われています。直線と曲線が織りなす力強くも洗練されたデザインは、当時の最先端技術の象徴である戦車から生まれたのです。
- ルイ・カルティエの革新性 カルティエの3代目、ルイ・カルティエがデザインを手がけた「タンク」は、当時の懐中時計が主流だった時代に、早くから腕時計の可能性を見出した彼の先見の明を示すものでした。1917年に発表されて以来、そのデザインはほとんど変わることなく、現代に受け継がれています。
- 「マスト ドゥ カルティエ」ラインの登場 「マストタンク」は、1970年代にカルティエが発表した「マスト ドゥ カルティエ(Must de Cartier)」コレクションの一つです。このコレクションは、それまでのカルティエが富裕層向けだったのに対し、より幅広い層にカルティエの魅力を広げることを目指して作られました。銀製ケースに金メッキを施した「ヴェルメイユ」素材を使用することで、手の届きやすい価格帯を実現し、一躍大ヒットとなりました。
カルティエ マストタンクは、単なる時間を計る道具ではなく、歴史と物語を身につける喜びを与えてくれる特別な存在なのです。
愛用のカルティエ マストタンクを長く使うために
今回のように、変色やメッキ剥がれは、適切なメンテナンスで十分に修理可能です。大切な時計を長く愛用するためには、定期的なオーバーホールや、今回のような専門的な修理が不可欠です。
あなたのカルティエ マストタンクも、もし輝きを失ってしまったと感じたら、ぜひ一度ご相談ください。熟練の職人が、あなたの愛用の一本を再び輝かせ、次の世代へと受け継ぐお手伝いをさせていただきます。