2025.10.10WATCH REPAIR
愛着ある時計の変色やメッキ剥がれにお悩みではありませんか?
今回、カイドージュエリーがお預かりしたのは、長年ご愛用されている**カルティエ(Cartier)**の傑作、**マストタンク(Must Tank)**の手巻きモデルです。
特に古いマストタンクに見られる「本体や裏蓋の真っ黒な変色」や「メッキの剥がれ」が見られましたが、当社の高い技術力を持つ職人の手により、美しい輝きを取り戻しました。
諦めていたその時計も、カイドージュエリーならきっと蘇ります。
お預かりしたマストタンクは、写真の通り、ケース全体と裏蓋に黒い変色が見られ、特に側面やラグ(ベルトとケースをつなぐ部分)ではメッキが剥がれている状態でした。
マストタンクのケースは**シルバー(925/スターリングシルバー)**に金メッキを施した「ヴェルメイユ」と呼ばれる技法で作られています。長年の使用や汗、湿気などにより、メッキ層の下のシルバーが酸化し、ケース全体が真っ黒に変色してしまうことが少なくありません。
また、衝撃や経年劣化により、メッキが部分的に剥がれ、地金のシルバーや、さらに酸化が進んだ部分が露出していました。
これは、当時カルティエが金無垢モデルよりも比較的手に取りやすい価格帯で高級感を出すために採用した、**「マスト ドゥ カルティエ(must de Cartier)」**ラインの特徴です。
さらに、この非常に古いモデルの**文字盤(ダイヤル)**には、時間の経過と共に経年劣化よって生じる微細なひび割れが多数見られました(拡大写真参照)。
このような「ひび割れ」や「クラック」は、アンティークウォッチならではの**「アジ」と捉えられることもあります。今回はお客様の思い入れを尊重し、文字盤の交換はせず**、当時の雰囲気をそのまま残す修理方針を選択しました。
もし文字盤の状態がさらに悪く、修理をご希望される場合は、カイドージュエリーでは文字盤の**再生(リダン)**もご相談いただけます。
今回の修理の核となったのは、「変色除去」「研磨(鏡面仕上げ)」、そして「再メッキ」です。
まず、ケース全体に付着した真っ黒な**酸化物(硫化銀など)**と、傷んだ古いメッキ層を丁寧に除去しました。この工程では細心の注意を払います。
変色を除去した後、熟練の職人が一本一本丁寧に研磨(ポリッシュ)を行いました。この研磨により、ケース表面の小さな傷が取り除かれ、メッキが密着しやすい**「鏡面(ミラー)仕上げ」**の状態へと整えます。
タンクらしい直線的なデザインを際立たせるには、この研磨技術が非常に重要です。
最後に、金メッキを施します。今回は5ミクロンの厚い金メッキを施しました。
日本の一般的なのメッキの厚みは0.8ミクロン以下と言われています。カイドージュエリーでは、可能な限りオリジナルの仕様に近づけ、長くご愛用いただけるよう、厚いメッキを推奨しています。
修理後のマストタンクをご覧ください。
黒ずみやメッキの剥がれは一切なくなり、ケース全体が艶やかなゴールドの輝きを取り戻しました。裏蓋の「Cartier」「925 ARGENT」といった重要な刻印も鮮明に残っています。
深いブラックのダイヤルとゴールドのケースのコントラストが際立ち、当時のデザインの美しさが完全に復活しました。この状態で、また次の世代へと受け継いでいただけるでしょう。
カルティエ マストタンクは、その美しさゆえに世界中で愛されていますが、今回のように「メッキ剥がれ」「変色」「ムーブメントの不調」といった様々な修理が必要です。
特に手巻きモデルや古いヴィンテージモデルの修理には、高度な技術と経験が不可欠です。カイドージュエリーには、カルティエの時計修理実績が豊富にあり、お客様の大切な時計を丁寧に診断し、最適な修理プランをご提案いたします。
メッキ修理だけでなく、オーバーホール(分解掃除)、バックル修理、ベルト交換など、時計に関するお悩みは何でもご相談ください。
あなたの大切なカルティエ マストタンクも、カイドージュエリーで輝きを取り戻しませんか?
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