2025.10.28WATCH REPAIR
カルティエの「マスト ドゥ カルティエ(Must de Cartier)」シリーズは、手の届きやすい価格帯でありながら、その上品なデザインで今なお根強い人気を誇ります。特に、丸いケースが特徴的な「マスト コリゼ」は、優美な手元を演出してくれる名作です。
しかし、このマストシリーズの多くは、純銀(シルバー925)のケースに厚い金メッキを施した**ヴェルメイユ(VERMEIL)**という仕様です。
長年のご愛用や汗、湿気などの影響で、残念ながらメッキが剥がれて下地の銀が露出してしまうことがあります。せっかくの美しいゴールドの輝きが失われ、時計を着けるのをためらってしまう…そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
カイドージュエリーでは、この**カルティエ ヴェルメイユの「メッキ剥がれ」を新品同様に蘇らせる「再メッキ修理」**を得意としています。
今回は、広範囲でメッキが剥がれてしまったカルティエ マスト コリゼ クオーツ (Ref. 590002) の修理実例をご紹介します。
お持ち込みいただいたカルティエ マスト コリゼのケースは、ケースの金メッキが広範囲で剥がれ、シルバーが剥き出しになって全体が黒ずんで見える状態でした。


当社の再メッキ修理は、単にメッキをかけ直すだけではありません。
① 丁寧な分解と研磨(下地処理)
まずはムーブメントやリューズを外し、ケース単体にします。次に、長年の使用でついた細かなキズや腐食跡を丁寧に研磨します。この**研磨(下地処理)**をどれだけ丁寧に行うかが、再メッキ後の仕上がりの美しさ、すなわち「鏡面仕上げ」の輝きを左右します。
② 厚い5ミクロンの再メッキ処理
オリジナルの裏蓋には「PLAQUE OR G 20 M」(20ミクロンメッキ)の表記がありますが、これは製造当時の標準的な厚さです。
日本の一般的なメッキの厚みは0.8ミクロン以下と言われていますが、カイドージュエリーでは、お客様に長く安心してご愛用いただくため、耐久性を高めた5ミクロンの厚い再メッキを施します。美しいゴールドの輝きを再現するだけでなく、よりタフなケースへと生まれ変わります。
長年の汚れや剥がれが嘘のように消え、ケース全体が鏡面のように輝く、新品同様の状態に蘇りました。


| 画像 | 特徴 |
| メッキ剥がれが完全に消え、ケース全体に美しいゴールドの輝きが戻りました。 | |
| 裏蓋の刻印も鮮明なまま、新品の時計のような輝きを取り戻しました。 | |
| 修理前と後の違いは一目瞭然。時計全体に輝きが戻り、コレクションに再び加えられるレベルに。 |
この仕上がりこそが、カイドージュエリーの持つ熟練の技術の証です。

「ヴェルメイユ」とは、銀製品に金メッキを施したものを指すフランス語です。金メッキ製品の中でも、下地が純銀(スターリングシルバー/925)であり、一定の厚さ以上のメッキが施されているもののみが「ヴェルメイユ」と名乗ることができます。
純銀はアレルギーを起こしにくく耐久性も高い素材ですが、空気に触れると酸化し黒ずむ性質(硫化)があります。メッキが剥がれると下地の銀が露出し、その部分から黒ずんで見えてしまうのです。
お手持ちのカルティエ マスト コリゼやタンク、ヴァンドームなどのヴェルメイユモデルで、メッキ剥がれにお悩みでしたら、ぜひ一度カイドージュエリーにご相談ください。
あなたの大切なカルティエを、再び輝かせます。
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「昔買ったカルティエの時計が、しまっていたら茶色や虹色になっていた…」という方は、ぜひ一度、カイドーにご相談ください。