2025.10.31WATCH REPAIR
カルティエの「マストタンク ヴェルメイユ」は、クラシックで普遍的なデザインが今なお世界中で愛されている名作です。しかし、ヴィンテージ時計としてお使いいただく中で、多くの方が直面するのがケースの「黒ずみ・変色」という問題です。
今回は、本体ケースが全体的に黒く変色してしまったマストタンク クオーツの変色取り修理事例と、その驚くべき修復の技術について、カイドージュエリーがご紹介します。
お客様からお預かりしたマストタンク(画像1枚目)は、ケース全体が紫色や黒色に強く変色していました。特にケースの角や側面、リューズ周辺に変色が集中しています。
この時計の裏蓋を見ると、「Cartier VERMEIL Tank Quartz ARGENT 925 PLAQUE OR G 20M」という刻印があります(画像枚目)。
これは、この時計の素材が、純度92.5%の銀(スターリングシルバー/ARGENT 925)のケースに、厚さ20ミクロンの金メッキ(PLAQUE OR G 20M)を施した**「ヴェルメイユ」**という技法で作られていることを示しています。
黒ずみ・変色の原因は、このベース素材である**「銀(シルバー)」**にあります。銀は空気中の硫黄成分や、汗、化粧品などに含まれる成分と反応することで「硫化」し、黒ずみ(硫化銀)が発生する特性を持っています。高級な金メッキが施されていても、長年の使用や保管状況によって、メッキの隙間や剥がれた箇所から銀が露出し、全体的に黒く変色してしまうのです。


この繊細なヴェルメイユの変色を修復するには、メッキ層に極力負担をかけず、土台の銀に発生した硫化銀を丁寧に取り除く技術が必要です。
カイドージュエリーでは、お客様の大切な時計の美しさを完全に引き出すため、以下の工程で徹底的な変色取り修理を実施します。


修復後のマストタンクをご覧ください。
長年の黒ずみは完全に消え去り、上品で深みのあるヴェルメイユの金色が復活しました。裏蓋の刻印やシリアルナンバも鮮明になり、まるで時を巻き戻したかのような仕上がりです。
長年の変色にお悩みだったお客様にも、大変ご満足いただける結果となりました。
【カルティエ マストタンク ヴェルメイユ 変色取り修理】
カルティエのマストタンク ヴェルメイユの変色修理は、安心と実績のカイドージュエリーにお任せください。全国から郵送でのご依頼も承っており、お客様の大切な時計を丁寧に修復いたします。
その他の時計修理実績や詳細については、カイドージュエリーの時計修理ブログをご覧ください。