2026.02.11WATCH REPAIR
修理の様子をお伝えする前に、この美しい時計の背景を少しだけ紐解いてみましょう。
「コリゼ」という名は、イタリア・ローマの円形闘技場**「コロッセオ(Colosseo)」**に由来します。 その名の通り、ケースを横から見ると同心円状に段差がついた立体的な造形になっており、古代ローマの建築美を腕時計という小さな宇宙に凝縮したようなデザインが特徴です。
1980年代〜90年代に一世を風靡した「マスト ドゥ カルティエ」シリーズの中でも、フェミニンでエレガントなコリゼは、今なおヴィンテージ市場で愛され続けている名品です。
今回お預かりした時計の状態は、以下の通りでした。



褐色の変色: ケース全体が黒ずんだような褐色に。これはベース素材である「シルバー925(スターリングシルバー)」が経年変化で硫化したものです。
メッキの摩耗: 長年のご愛用により、表面の金メッキが薄くなり、本来の輝きが失われていました。
ヴェルメイユ(銀に金を厚く塗る技法)はカルティエの伝統ですが、どうしても数十年経つとお手入れが必要になるタイミングがやってきます。
カイドージュエリーでは、単に上からメッキを重ねるような簡易的な補修はいたしません。
丁寧な下地処理(研磨): まずは元のメッキを剥がし、小傷を取り除きながら丁寧に磨き上げます。ここで「鏡面仕上げ」にまで追い込むことで、メッキ後の輝きが格段に変わります。
5ミクロンの厚膜メッキ: 一般的なアクセサリーのメッキは0.1〜0.5ミクロン程度ですが、今回は**「5ミクロン」**という極厚の再メッキを施しました。これにより、純正に近い深みのあるゴールドカラーを再現し、耐久性も大幅にアップしています。
写真をご覧ください。 くすんでいた褐色は消え去り、コロッセオを彷彿とさせる立体的なケースラインが、眩いばかりの鏡面仕上げで蘇りました。3カラーの文字盤(トリニティカラー)とのコントラストも、新品時のような鮮やかさを取り戻しています。



「もう使えないかも…」と諦める前に。 カルティエの時計は、適切なメンテナンスを行えば、また次の世代へと受け継いでいける資産です。
カイドージュエリーでは、思い出の詰まった時計の「再生」を承っております。変色や傷でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
あなたの大切な時計も、もう一度輝かせてみませんか? 修理の見積もりや納期について詳しく知りたい方は、公式LINEまたはお問い合わせフォームよりメッセージをお送りください。