2026.06.08WATCH REPAIR
こんにちは。カイドージュエリーです。
今回は、丸みを帯びた立体的なダブルラインのケースと、クラシカルなローマインデックスが多くの女性を魅了し続けている名作ヴィンテージウォッチ、「カルティエ・マストコリゼ(Cartier Must Colisee)」の劇的なレストア(外装修復・再メッキ)の事例をご紹介いたします。
お預かりしたマストコリゼは、長年のご愛用によって表面の金メッキが摩耗し、下地のシルバー(SV925)が露出して変色が進んでいる状態でした。特にケースの縁や立体的なラインの頂点部分にメッキの剥がれが顕著に見られました。


さらに裏蓋を拝見すると、時計を外した際や保管時に付いたと思われる、「打痕による凹み」が深く無数に刻まれているのが分かります。
マストコリゼのような「ヴェルメイユ」技法(シルバーの上に金を被せる技法)を用いた時計は、そのまま磨きすぎるとさらにメッキが薄くなってしまうため、再メッキを前提とした高度な下地処理と職人の技術が不可欠となります。
大切な時計のオリジナルフォルムを崩さないよう、以下の工程で慎重に作業を進めました。
1. 本体ケースの研磨と鏡面仕上げ 美しい曲線美が特徴のケース部分は、小傷を丁寧に取り除きながら、独自の研磨技術によって極上のミラーフィニッシュ(鏡面仕上げ)を施します。これにより、メッキを乗せた際の輝きの深みが全く変わってきます。
2. 裏蓋の打痕修復と繊細なヘアライン仕上げ 裏蓋に多数あった打痕による凹みは、カルティエの刻印を消してしまわないよう細心の注意を払いながら、精密に研磨・修復を行いました。仕上げには、オリジナル同様の美しい「ヘアライン(艶消し)仕上げ」を施し、メリハリのある質感へと復元しました。
3. 贅沢な「5ミクロン厚」の18金再メッキ 下地を完全に整えた後、本体ケースおよび裏蓋の全体に、通常の装飾メッキ(0.1〜0.5ミクロン程度)とは一線を画す「5ミクロンの厚い18金メッキ」を贅沢に施しました。この厚みを持たせることで、ヴェルメイユ特有の深みのある高貴な金色が蘇り、耐久性も格段に向上します。
修復が完了したマストコリゼがこちらです。


かつて刻まれていた傷やメッキの剥がれが嘘のように消え去り、まるで当時のブティックに並んでいたかのような高貴な輝きを取り戻しました。
ケースの鏡面と、裏蓋のヘアラインによる美しいコントラストが、カルティエならではの気品を引き立てています。 (※マストシリーズの裏蓋にも刻印がある通り、本モデルは「非防水」構造のため、修復後も水気には十分ご注意のうえ末永くご愛用くださいませ)
修復内容:
本体ケース研磨(鏡面仕上げ)
裏蓋打痕修復 & ヘアライン仕上げ
5ミクロン厚18金高級再メッキ処理
修理価格: 38,500円(税込)
カイドージュエリーでは、カルティエのマストタンクやマストコリゼなど、思い出の詰まった高級ヴィンテージウォッチの再メッキ・レストアを承っております。
「もう綺麗にならない」と諦めてしまう前に、ぜひ一度、福井のカイドージュエリーまでご相談ください。全国からのご郵送での修理受付も承っております。
▼時計修理・レストアの修理事例はこちら https://kaido-co.jp/watch