今回もメッキが剥がれたエルメスの腕時計の修理をいたしました。このエルメスのH型の腕時計のメッキは四隅の所のメッキが剥がれ落ちる特徴があります。

今回のエルエスの時計もやはり右下の端に大きなメッキの剥がれがあり、上の左右にも少しメッキの剥がれがあります。

こちらは裏面です。裏面にはメッキの剥がれは無く、裏蓋もシールで保護されているので裏蓋の四隅にのみ擦り傷があります。

余談ですが、このように「キズ防止にシールを貼ると時計に傷が付きにくいので良いのでは？」と考えますが、実はデメリットもあるのです。ステンレスは錆びない金属と言われますが、このステンレスの錆びないメカニズムはステンレス内に含まれている鉄が錆びる前に、やはりステンレス内に含まれているクロムと言う金属が空気中の酸素と結合してナノミリの薄い不動態皮膜を作り、表面を覆うので含有されている鉄が錆びない。という原理です。
※ 18-8ステンレスは鉄が74％、クロム18％、ニッケル8％

この原理から言うと時計にシールを貼るのはステンレスに含まれるクロムが空気中の酸素と結合するのを妨げることになります。シールを貼るとすぐに錆びる・・・ということはありませんが、場合によってはシールを貼ることによって小さな斑点状のサビが出てしまうことがあります。

早速、エルメスのHウォッチを分解して本体ケースと裏蓋を取り出します。

こちらが本体ケースと裏蓋を研磨した後です。どちらもピカピカになっています。

本体ケースの方だけを18金のメッキをかけました。研磨で小傷も取れてピカピカの状態だったのでメッキを掛けるとさらに輝いて綺麗になりました。

こちらがメッキをした後の本体ケースの裏面です。

ケースにガラスをはめ込んで機械を組み入れて完成です。この輝きは新品のようです。

こちらが完成後の裏面です。裏側もまるで新品のようです。

作業内容　:　５ミクロンメッキ修理
修理費用　:　（2024年2月価格改定）38,500円
※往復の送料は無料です。

創業100余年のカイドージュエリー　下のYouTubeでのエルメスの修理の動画をご覧ください。

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