2025.08.22WATCH REPAIR
大切な時計のパーツが外れてしまい、途方に暮れた経験はありませんか?今回は、ベゼルが外れて紛失してしまったオメガ スピードマスターの修理事例をご紹介します。
お預かりしたのは、オメガ スピードマスター。残念ながら、ベゼルが外れてしまい、お客様も紛失されたとのことでした。ベゼルは時計の顔とも言える重要なパーツ。ベゼルを失ったスピードマスターは、どこか寂しげに見えました。
しかし、ご安心ください。時計の専門家として、このスピードマスターを元の姿に戻す修理を行いました。
【今回の修理内容】
修理を終えたスピードマスターは、まるでタイムスリップしたかのように元の美しい姿を取り戻しました。ベゼルが元通りになったことで、文字盤のゴールドカラーとケースのステンレス、プッシュボタンのゴールドが調和し、より一層エレガントな印象になりました。
この美しいスピードマスターが生まれた背景には、オメガの輝かしい歴史と、人類の宇宙への挑戦がありました。
【オメガの歴史】
オメガは、1848年にルイ・ブランがスイスのラ・ショー=ド=フォンで創業した高級時計ブランドです。「完璧と究極」を意味するギリシャ語の最終文字「Ω(オメガ)」を社名に冠し、高い精度と信頼性を追求してきました。
19世紀には鉄道用懐中時計の製造で名を馳せ、20世紀に入ると、オリンピックの公式計時を担当するなど、スポーツ計時の分野でも世界的な地位を確立しました。
【スピードマスター誕生の秘話】
スピードマスターが誕生したのは、1957年。当初はレーシングドライバーのために開発された、タキメーターベゼルを備えたクロノグラフでした。しかし、その真価が発揮されるのは、宇宙での出来事でした。
1960年代、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、宇宙飛行士が着用する腕時計の選定を開始。極限の環境下でも正確に作動する時計を求めて、さまざまなブランドの時計に過酷な試験を課しました。
その結果、温度変化、衝撃、振動、無重力といった厳しいテストに唯一合格したのが、オメガ スピードマスターでした。
そして1969年、アポロ11号の月面着陸に成功した際、宇宙飛行士の腕にはスピードマスターが輝いていました。月面で着用されたことから、「ムーンウォッチ」の愛称で世界中の人々に知られることになります。
【まとめ】
ベゼルの紛失というハプニングに見舞われたスピードマスターも、適切なパーツと専門的な技術があれば、元の輝きを取り戻すことができます。
オメガ スピードマスターは、単なる時計ではありません。人類の宇宙への挑戦を支え、歴史的な瞬間に立ち会った、まさに「歴史を刻んだ」時計です。
大切な時計の修理やメンテナンスは、ぜひ当店にお任せください。あなたの時計が持つ物語を、これからも大切に繋いでいくお手伝いをさせていただきます。