2025.11.02WATCH REPAIR
お客様からご依頼いただいた、貴重な手巻き式の**オメガ デ・ヴィル(OMEGA De Ville)**の再メッキ修理をご紹介します。
長年のご愛用により、本体ケース全体に擦り傷が付き、一部で変色が見られたゴールドメッキのケースを、当社の高い技術で丁寧に再生いたしました。
レクタンギュラー(長方形)ケースのヴィンテージ・デ・ヴィルは、そのエレガントなデザインで今なお根強い人気を誇ります。この時計の美しさを最大限に引き出し、さらにその魅力の源である「デ・ヴィル」の誕生秘話も深掘りします。


今回お預かりしたのは、クラシックなデザインが美しいオメガ デ・ヴィルの手巻きモデルです。
ゴールドメッキの時計を美しく蘇らせるには、事前の下地処理と、耐久性を高めるためのメッキ工程が非常に重要になります。


擦り傷や変色に覆われていたケースは、見事に元の輝きを取り戻しました。鏡面仕上げと5ミクロンの厚いゴールドメッキにより、まるで新品のような上品なゴールドの輝きが蘇り、時計全体のエレガンスが際立ちます。
裏蓋もきれいにヘアラインとポリッシュ部分が分かれた二層構造の美しさが復活しました。

「デ・ヴィル」という名前を聞いて、しばしば「悪魔(Devil)」を連想される方がいらっしゃいますが、これは全く異なります。オメガ デ・ヴィルの名前は、フランス語で**「de ville(ドゥ・ヴィル)」、つまり「都会の」「街の」**を意味する言葉に由来しています。
この名前の通り、デ・ヴィルは都会的なライフスタイルを送る人々に向けてデザインされた、エレガントなドレスウォッチとして誕生しました。
デ・ヴィルが最初に登場したのは1960年です。しかし、当初は独立したコレクションではなく、オメガの防水・スポーツモデルとして有名な「シーマスター」の派生モデル、**「シーマスター デ・ヴィル」**として発表されました。
初期のモデルには、文字盤にも「シーマスター」の刻印しかなく、「デ・ヴィル」という名は控えめな存在でした。
シーマスターが持つ高い信頼性はそのままに、より薄型で洗練されたデザインが特徴のデ・ヴィルは、次第に人気を獲得していきます。
そして、誕生から7年後の1967年、「シーマスター」の名前を外し、**「デ・ヴィル(De Ville)」**として独立したコレクションとなりました。この独立により、デ・ヴィルはエレガンスと薄さを追求したドレスウォッチとしての地位を確固たるものにし、オメガの主力コレクションの一つへと成長していったのです。
デ・ヴィルを特徴づけるのは、そのスリムで洗練されたデザインです。当初はシーマスター譲りの堅牢なモノコックケース(裏蓋のない一体型ケース)を採用し、薄さを実現。この「都会に馴染むスマートなデザイン」こそが、デ・ヴィルが長年愛され続けている理由です。
今回は、オメガ デ・ヴィルの再メッキ修理を通じて、そのエレガントな歴史と当社の修理技術をご紹介しました。
ヴィンテージウォッチ、特にメッキケースの時計は、経年による傷や変色、メッキ剥がれが避けられません。しかし、適切な研磨技術と、耐久性の高い厚メッキを施すことで、当時の輝きを取り戻し、これからも長くご愛用いただくことができます。
カイドージュエリーでは、お客様の大切な時計の状態に合わせた最適な修理プランをご提案いたします。他店で断られたメッキ修理や、複雑な仕上げの復元も、確かな技術でお応えします。
大切なオメガ デ・ヴィルやその他の時計の修理・オーバーホールに関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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