2025.10.01WATCH REPAIR
カイドージュリーブログをご覧いただきありがとうございます。 今回は、お客様の大切な「お父様の思い出の時計」であるラドー(RADO) バルボア クォーツの修理事例をご紹介します。
長年のご愛用により、ブレスレットがくすみ、変色が目立ち、さらに心臓部であるムーブメントも停止してしまっていた状態からの「完全復活」です。
まず、この時計の背景にあるラドーというブランドの魅力に触れてみましょう。
1917年にスイスで創業したラドーは、「マテリアルの名匠(マスター・オブ・マテリアルズ)」の異名を持つ、時計界の革新者です。
一般的な時計がステンレススチールを主要素材としていた時代から、ラドーは他社に先駆けて超硬素材(ハードメタル)や、現在ではハイテクセラミックスといった、極めて耐久性の高い素材を積極的に採用してきました。これは、「いつまでも傷一つない美しい輝きを保つ時計」というラドーの哲学を体現するためです。
今回お預かりした**バルボア(BALBOA)**は、ラドーのアイコンモデルである「ダイヤスター」の系譜を継ぐコレクションの一つであり、その独特の樽型フォルムと耐久性を追求した素材使いが特徴的です。
お父様が長きにわたり愛用されたこの時計は、まさにラドーの耐久性と、時を超えても色褪せないデザインの証拠と言えるでしょう。
しかし、どんな堅牢な時計でも、クォーツムーブメントには寿命があり、また、素材の特性上、湿気や皮脂によって金属部分が変色してしまうことがあります。
今回、カイドージュリーでは、このラドー バルボア クォーツを再び時を刻む「宝物」として蘇らせるため、以下の二つの主要な修理を行いました。
長年の使用で変色し、くすんでしまったゴールドトーンのケースとミラネーゼ(メッシュ)ブレスレットを、当社の熟練の技術者が丁寧にクリーニングし、磨き上げました。
特にメッシュブレスレットは、編み込みの奥深くまで汚れが入り込んでいるため、徹底的な洗浄が必要です。修理後の写真をご覧いただくと、ケースの美しい輝きと、ブレスレットの繊細なメッシュ構造が持つ本来の金色が蘇っていることがお分かりいただけるかと思います。
時計が動かなくなった主な原因は、クォーツムーブメントの汚れでした。クォーツ時計は、電池を交換しても動かない場合、機械内部の回路や歯車に不具合が生じていることが多く、さらにこの時計は赤丸の部分の電池に接触するパーツが過去に違う部品に取り換えられていました。また日付がズレているので、全ての安定した動作のためにはムーブメントを新しいものに交換するのが最善策です。
汚れて動きを止めていたお父様のラドー バルボア クォーツは、カイドージュリーの変色取り修理とクォーツ機械交換によって、見事に本来の輝きと機能を取り戻しました。
思い出が詰まった時計は、単なる時間を知る道具ではありません。時を超えて受け継がれる「絆」であり「物語」です。
お客様からは「まさかここまで綺麗になるとは思わなかった」「お父様が使っていた時の輝きが戻ってきた」と大変嬉しいお言葉をいただきました。
カイドージュリーでは、ラドーをはじめとするヴィンテージウォッチ、思い出の時計の修理・オーバーホールを承っております。動かなくなってしまった時計、変色や傷が気になる時計がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「マテリアルの名匠」ラドーの物語を未来へ繋ぐお手伝いをさせていただきます。
カイドージュリーの時計修理に関する詳細はこちらをご覧ください。 https://kaido-co.jp/watch-repair/