2024.04.26WATCH REPAIR
当店のLINEにカルティエマストコリゼの修理のご依頼をいただきました。
お客様から送られてきた写真を見ると・・・久しぶりに傷みの激しいマストコリゼです。
ご覧の通り表面の大半のメッキが剥がれています。マストコリゼの場合は12時側と6時側の縦の2本のデザインの箇所のメッキが剥がれることが多いのですが、全体のメッキがこれほど剥がれている時計は初めてです。
こちらが裏面です。こちらはメッキの剥がれが無いようですが、全体的に変色で茶色くなっています。
研磨をして表面を鏡面に仕上げてから、5ミクロンの厚めのメッキをしました。
一般的な日本のメッキ工場のメッキの厚みは0.8ミクロン以下と言われています。当店のある福井市の隣の鯖江市は日本の眼鏡フレーム製造のシェア97%を誇る眼鏡の街です。この鯖江市の眼鏡メッキ工場の社長さん達に伺うとこのような返答が返って来ます。
腕時計は腕にはめているとあちこちに擦れることが多いので、当店ではなるべく耐久性を上げる為に6倍近く厚みのある5ミクロンのメッキを施しています。
理想は10ミクロンや20ミクロンなのですが、メッキ工場の技術者に相談をすると5ミクロン以上のメッキは表面が曇ってしまい、艶が無くなってしまうそうです。
こちらが裏面となります。裏蓋も変色取りの後にヘアライン仕上げをしてから5ミクロンの再メッキをしますのでとても綺麗になります。
今回はグレーのベルトも取付させていただきました。お預かりの状態から見ると驚くほど綺麗になっています。
こちらがビフォア・アフターの写真となります。