2026.02.10カルティエ
時を経ても色褪せないデザイン、それがカルティエの魅力です。 しかし、シルバー925に金メッキを施した「ヴェルメイユ」技法を用いた**マストヴァンドーム(Must Vendôme)**は、長年の愛用とともにメッキが薄くなり、銀特有の黒ずみ(酸化)が現れてしまうのが宿命でもあります。
今回は、カイドージュエリーにて承った、息を呑むような劇的なビフォーアフターをご紹介します。
お預かりした際は、メッキが摩耗し、全体に激しい変色が見られました(画像左)。ヴィンテージらしい趣もありますが、やはりカルティエには黄金の輝きが似合います。またDバックルは腐食が進み、多くの凹みがあります。



鏡面研磨(ポリッシュ): まずは小傷を取り除き、下地を完璧な鏡面に仕上げます。メッキの仕上がりは、この「下地の平滑さ」で決まります。
5ミクロンの厚い再メッキ: 通常の装飾メッキよりもはるかに厚い「5ミクロン」の金を定着させました。これにより、単なる「塗り直し」ではなく、高級時計に相応しい重厚感と耐久性を取り戻します。
仕上がりは画像右の通り。まるで当時のブティックに並んでいた新品のような、凛とした表情へと蘇りました。
修理料金は本体ケースと裏蓋の研磨と5ミクロンメッキが38,500円、Dバックルの研磨と5ミクロンメッキが22,000円となります。



今回修理した「マスト ヴァンドーム」は、1970年代に誕生した**「マスト ドゥ カルティエ(must de Cartier)」**ラインの一つです。
このラインの代名詞といえば、戦車のキャタピラから着想を得た**「タンク」**。1917年、ルイ・カルティエが平面図から生み出したその直線美は、「時計=円形」という常識を覆しました。
一方、このヴァンドームは、パリのヴァンドーム広場から名付けられました。
デザインの妙: タンクが持つ「直線」の哲学を、円形のケースにいかに調和させるか。ラグ(ベルト接合部)がケースに溶け込むような独創的なスタイルは、馬車のシャフトを固定するパーツからヒントを得たとされています。
「持つべきもの(Must)」という名の通り、カルティエの伝統的な美意識を、より多くの人へ届けるために生まれたこの時計。再メッキを施すことで、次の世代へと受け継ぐ準備が整いました。
「もう直らない」と諦めていた変色や傷も、適切な処置で驚くほど綺麗になります。カイドージュエリーでは、職人の手による丁寧な研磨と、高精度なメッキ技術で、お客様の大切な時間を守るお手伝いをいたします。
対応内容: 研磨仕上げ、再メッキ(厚メッキ対応)、オーバーホール等
対象ブランド: カルティエ(タンク、ヴァンドーム、サントス等)、ロレックス、オメガなど
時計の変色やメッキ剥がれでお困りではありませんか?
あなたの思い出が詰まったカルティエ。当時の輝きを取り戻すために、ぜひ一度カイドージュエリーへご相談ください。