2022.06.13Pearl

あなたの真珠は「無調色」ですか?

宝石屋さんが話さない3つの真珠の真実

◇ あなたの真珠は「無調色」ですか?

真珠の調色の割合の図

日本で販売されている真珠は約95%がピンク色に「調色」されています。「調色」とは穴あけした真珠をピンク色の染料に浸けて、核と真珠層の隙間にピンク色の染料を流し込み真珠を染める作業です。これによりバラバラな色の真珠が同じようなピンクの色調になり、ネックレスにした際に色のバラツキが見えないようにすることが出来ます。下の写真が実際に真珠を染める染料です。

真珠を調整する染料

しかし、染料はTシャツが色褪せるように日光の紫外
線で退色をするので、次第にピンク色が薄くなり真珠
の色にバラつきが出てきます。また、真珠の場合は核
や真珠層に染料が染み込まないので、超音波洗浄液に
かけると染料が抜け出す危険性があります。
では、染料を入れなければいいんじゃないの?という
気もしますが、貝から取り出した真珠の色やテリ、大
きさを統一してネックレスを作ることは手間もかかり、
少量しか生産できません。そこで、見た目の良いネッ
クレスを多く作るのには「調色」が必要なのです。

生産量が僅か5%の無調色パールは染料を入れてないの
で、経年劣化することが少なく、真珠本来の美しさが続
きます。調色という言葉は真珠業界が創り出した言葉で、
本来は「染色」「着色」と呼んでもいいのかもしれま
せん。