2026.04.29WATCH REPAIR
「母から譲り受けたマストタンクが真っ黒に変色してしまった」 「メッキが剥がれて地金が見えているけれど、もう一度輝きを取り戻せる?」
カルティエのアイコンであり、ヴィンテージウォッチの代名詞ともいえる「マストタンク」。 今回は、クォーツモデルの深刻な変色とメッキ剥がれを、当店の「5ミクロン厚金メッキ」と職人のこだわりで蘇らせた修理事例をご紹介します。
1917年、ルイ・カルティエによって生み出された「タンク」。そのデザインのインスピレーション源は、なんと第一次世界大戦中に登場した「戦車(タンク)」でした。
戦車を上から見た時のフォルムを、ラグとケースが一体化した直線的なラインで表現。当時の宝飾時計の常識を覆すアバンギャルドなデザインは、誕生から100年以上経った今も、永遠の定番として世界中で愛され続けています。
特に1970年代に登場した「マスト(Must=持たなければならない)」シリーズは、シルバー925に金メッキを施した「ヴェルメイユ」技法により、多くの人々にカルティエの気品を届けました。しかし、その繊細な素材ゆえに、現代では「変色」の問題に直面している個体が多く存在します。
今回お預かりしたクォーツモデルは、まさに「マストタンク」が抱える悩みの典型的な状態でした。
本体ケース: 全体が酸化して真っ黒に変色し、僅かですが角の部分はメッキが剥がれ落ちています。
裏蓋: 汗や皮脂、空気による硫化が進み、全体的に変色しています。
この状態では、せっかくの洗練されたデザインも台無しです。カイドージュエリーでは、地金から整え直す抜本的な修理を行います。
ヴィンテージの風合いを尊重しつつ、現代の輝きを注ぎ込むために以下の工程を徹底しています。
まずは時計をバラバラに分解し、ムーブメントを保護。ケースと裏蓋のみの状態にした後、専用の技術で細部の黒ずみまで丁寧に取り除きます。
オリジナルの意匠を忠実に再現するため、部位ごとに仕上げを使い分けます。
本体ケース: エッジを損なわないよう慎重に研磨し、歪みのない「鏡面仕上げ」を施します。
裏蓋: このモデルは裏蓋が鏡面仕上げのタイプなので、丁寧に鏡面に仕上げます。これにより、高級感漂う購入当時の質感を再現します。
一般的な修理店(0.8ミクロン以下)の数倍の厚みを持つ、「5ミクロン」の18金メッキを贅沢に施します。
重厚な質感: 18金ならではの、深くしっとりとした黄金色が復活します。
抜群の保護力: 極厚のメッキ層が地金を強固にガードし、次世代へ受け継げる耐久性を実現します。

真っ黒だったケース が、四隅まで隙なく黄金色に輝き、エッジの効いたシャープな鏡面へと生まれ変わりました。

酸化膜で覆われていた裏蓋 も、この通り。鏡面研磨と5ミクロンのメッキによって、刻印が美しく浮かび上がる最高の仕上がりとなりました。
100年前の戦車に想いを得た「タンク」のデザインは、どれだけ時が経っても色褪せることはありません。変色やメッキ剥がれで諦めてしまう前に、カイドージュエリーへご相談ください。
職人の手によって、あなたの想い出が詰まった時計に再び息を吹き込みます。全国からの配送修理も承っております。
▼カルティエ マストタンクの再メッキ・変色取りの詳細はこちらhttps://kaido-co.jp/watch-repair/