2026.06.30WATCH REPAIR
アンティークカルティエの中でも、その上品で愛らしいラウンドケースから今なお絶大な人気を誇る「マストコリゼ」。しかし、久しぶりにケースから出してみたら「全体が茶色く変色している」「部分的に黒いシミのような斑点ができている」と驚かれた経験はありませんか?
カルティエの「マストシリーズ」に用いられている「ヴェルメイュ」技法(SV925の上へ18金をコーティングするもの)は、シルバー特有の性質により、空気中の成分や汗・皮脂、湿気と反応して表面に酸化や硫化による変色を起こしやすいという繊細な特徴を持っています。
「メッキが剥がれてしまったから、もう直らないのでは…」と諦める必要はありません。今回は、表面・裏蓋ともに頑固な変色が発生してしまったマストコリゼの「変色取り修理」の実績をご紹介します。下地を傷めず、本来の美しいゴールドの輝きだけを呼び戻すプロの特殊仕上げ技術をご覧ください。
今回お預かりしたカルティエ・マストコリゼは、全体的にゴールドの赤みが強く出ており、特に以下の部分に変色が顕著に見られました。

表面(ベゼル・ラグまわり): 1時〜2時方向のベゼル部分に、はっきりと目視できる茶褐色の濃い変色(シミのような跡)が付着していました。全体的にも本来の爽やかな18金カラーではなく、くすんだ赤茶色を帯びていました。

裏蓋(ケースバック): 裏蓋全体にうっすらと膜を張ったような変色が広がっており、時計の刻印まわりやくぼみ部分に黒ずみが蓄積し、光沢が失われていました。
一見するとメッキの剥がれのように見えるケースもありますが、今回は下地の金メッキ層はしっかりと残ったまま、表面だけが化学反応で変色している状態でした。この場合は「再メッキ」を行わずとも、適切な「変色取り加工」を施すことで驚くほど綺麗に修復が可能です。
ヴェルメイュの時計は、市販の金属磨きクロスなどで力任せに磨いてしまうと、大切な金メッキ層まで一緒に削り落としてしまい、下地のシルバーが露出して取り返しのつかない状態になる恐れがあります。
カイドージュエリーでは、時計の状態を厳密に職人が見極め、時計の金属や文字の刻印に負担をかけない特殊な洗浄(変色除去)を行います。
表面のデリケートな鏡面部分はもちろん、裏蓋のヘアライン(筋目仕上げ)の溝に入り込んだ頑固な変色まで、元の質感を崩すことなく精密に除去。金メッキの厚みを損なうことなく、時計が作られた当時のピュアな18金ゴールドの艶とみずみずしい光沢だけを安全に引き出します。

特殊クリーニングを施したマストコリゼは、ベゼル部分に見られた濃い茶色のシミが跡形もなく消え去り、どこから見ても均一で美しいミラーフィニッシュ(鏡面)が復活しました。

裏蓋もくすみが一掃され、刻印のシャープさを保ったまま、本来の美しいゴールドの輝きを取り戻しています。メッキが摩耗していない状態であれば、このように「変色取り修理」を行うだけで、費用を抑えつつ新品同様のクオリティまで蘇らせることが可能です。
💡 変色を予防するための日々のお手入れ
マストシリーズは非防水仕様のため、ご使用後は汗や水分が残りやすい環境にあります。外した後は、目の細かいシリコンクロスやセーム革などの柔らかい布で優しく拭き取り、湿気の少ない場所に保管していただくことで、美しい輝きをより長く保つことができます。もし変色してしまったら、手遅れになる前にプロへお任せください。
| 項目 | 内容 |
| 対象ブランド | カルティエ(Cartier) |
| モデル名 | マストコリゼ(Must Colisee / ヴェルメイュ) |
| 修理内容 | 本体ケースおよび裏蓋の特殊変色クリーニング(変色取り修理) |
| 修理料金 | 15,400円(税込) |
カイドージュエリーでは、時計それぞれの劣化原因(メッキの剥がれなのか、表面の変色なのか)をプロの目で正確に見極め、最も美しく、最もお財布に優しい最適な修理プランをご提案いたします。
福井県福井市の店舗での受付はもちろん、全国からの郵送による修理・クリーニングのご相談も大歓迎です。タンスに眠っている大切なカルティエを、もう一度美しく蘇らせてみませんか?どうぞお気軽にお問い合わせください。