2026.07.07WATCH REPAIR
カルティエ(Cartier)のアイコンとして、誕生から100年以上経った今も世界中で愛され続ける「タンク」シリーズ。中でもヴィンテージウォッチとして不動の人気を誇るのが「マストタンク」です。
しかし、長年大切に仕舞い込んでいたマストタンクを久しぶりに取り出した際、「ケースや裏蓋が真っ黒に変色している……」と絶望されたことはありませんか?
マストシリーズ特有の「ヴェルメイュ」技法(シルバー925に18金を厚くコーティングする技術)は、汗や皮脂、空気中の硫硫成分と反応すると、金メッキの表面に強烈な黒ずみや虹色の変色膜を作ってしまう性質があります。
一見すると「もう使い物にならないのでは」と思ってしまいますが、メッキ自体が剥がれていなければ、当店の「変色取り修理」で見違えるほど綺麗な状態に戻すことが可能です。今回は、全面が真っ黒に変わってしまったマストタンクの修理事例をご紹介します。
今回お預かりしたマストタンクは、これまでにないほど強い変色が全体に進行していました。


裏蓋(ケースバック): 本体のゴールドカラーが完全に隠れてしまうほど、裏蓋のほぼ全面が真っ黒(一部は紫や青みがかった虹色)に変色していました。


本体ケース: 左右の縦ライン(ベゼル部分)やラグの周辺にも、焼き付いたような真っ黒な変色斑点が大きく広がっている状態でした。
これほどの黒ずみになると、金属磨きクロスなどでいくら擦っても全く歯が立ちません。それどころか、無理に強く磨くことで大切な金メッキ層を削り落としてしまい、下地のシルバーが露出して事態を悪化させる原因になります。
カイドージュエリーでは、ヴェルメイュの繊細なメッキ層に負担をかけないよう、職人が時計の状態に合わせて特殊な洗浄液と超微粒子のポリッシング技術を使い分けてクリーニングを行います。
裏蓋に深く刻まれた「Cartier」「VERMEIL」などの大切なブランド刻印やくぼみの形状を一切損なうことなく、表面を覆う酸化・硫化の黒い膜だけを安全かつ精密に浮き上がらせて除去していきます。
変色取り修理が完了したマストタンクは、お預かり時の真っ黒な姿からは想像もつかないほど、本来の気品に満ちた爽やかなイエローゴールドの輝きを取り戻しました。
あれだけ深刻だった裏蓋の変色膜は跡形もなく消え去り、上品なサテン仕上げ(ヘアライン)の質感とシャープな刻印が美しく蘇っています。本体ケースのミラーフィニッシュ(鏡面仕上げ)も、曇りのない美しい反射を取り戻しました。
お財布に優しい料金で、お買い求めいただいた当時のワクワク感をもう一度味わっていただけるクオリティに仕上がっています。
| 項目 | 内容 |
| 対象ブランド | カルティエ(Cartier) |
| モデル名 | マストタンク(Must Tank / ヴェルメイュ) |
| 修理内容 | 本体ケースおよび裏蓋の特殊変色クリーニング(変色取り修理) |
| 修理料金 | 15,400円(税込) |
「黒くなってしまったから恥ずかしくて着けられない」「修理に出すと高額な再メッキを勧められそう」と悩まれている方は、ぜひ一度福井のカイドージュエリーにご相談ください。
プロの目で時計の状態をしっかりと診断し、メッキが残っていれば今回の「変色取り修理(15,400円)」で、メッキ自体が摩耗していれば「5ミクロン厚手18金再メッキ修理(38,500円)」で、それぞれの時計に合わせた一番美しくなる方法をご提案します。
福井県内のお客さまはもちろん、全国からの郵送修理も承っております。お持ちのマストシリーズの輝きを取り戻し、再びお出かけのパートナーとして活躍させてみませんか?