2026.05.02WATCH REPAIR
カルティエの時計には、タンクやサントスなど数多くの名作がありますが、中でも女性らしさを際立たせるモデルといえば「マストコリゼ」です。
今回お預かりしたのは、クオーツムーブメントのマストコリゼ。長年の保管や使用により、ケース全体が覆われるほどの重度な変色が見られました。
「コリゼ(Colisée)」という名前は、ローマの円形競技場「コロッセオ」に由来しています。
特徴的なダブルライン: ケースの外周を囲む2重の輪(ダブルライン)が、コロッセオの観客席のような立体感を生み出しています。
ラグの造形: ベルトを繋ぐ「ラグ」部分のデザインも非常に個性的で、ジュエリーのような華やかさを演出します。
ヴェルメイユ技法: マストシリーズの特徴である、シルバー925に厚い金を重ねた「ヴェルメイユ」が、この丸みを帯びた造形に温かみのある輝きを与えています。
しかし、このヴェルメイユ技法は、経年により中のシルバーが酸化し、表面が黒ずんでしまうという弱点があります。
お預かりした直後の状態です。


本体ケース: 全体がどんよりと黒ずみ、本来のゴールドがほとんど見えない状態です。
裏蓋: 刻印の周りも酸化膜で覆われており、清潔感が失われてしまっています。
この状態では、コリゼ最大の特徴である「ダブルラインの立体感」や「ラグの造形美」が黒ずみに埋もれてしまい、その魅力が半減してしまいます。
大切な時計を傷めず、当時の輝きを呼び戻すために、丁寧な手作業で進めていきます。
まずは時計を分解し、デリケートな文字盤や手巻きムーブメントをケースから取り出します。これにより、ケースの細部まで徹底的にクリーニングすることが可能になります。
薬品や超音波洗浄だけでなく、職人が手作業で隅々の酸化膜を除去します。マストコリゼ特有の「重なったラインの隙間」に入り込んだ汚れも、一本一本丁寧に取り除いていきます。
変色を取り除いた後、パッキンに専用グリスを塗布しながら、正確に元通りに組み立てをいたします。
修理後の姿がこちらです。


正面からの輝き: 真っ黒だったケース が、見違えるような黄金色の輝きを取り戻しました。ダブルラインの影が美しく映え、立体感が強調されています。
裏蓋の清潔感: 酸化で汚れていた裏蓋 も、刻印がはっきりと見えるほどクリアな状態に復活しました。
この後に新しいクロコダイルの皮ベルトを取り付けました。これで再び腕元を華やかに彩ってくれることでしょう。

「古いものだから仕方ない」「もう直らない」と諦めないでください。カイドージュエリーでは、マストタンクやマストコリゼなど、ヴィンテージカルティエの修理実績が豊富にございます。
福井の店頭はもちろん、全国からの配送修理も受け付けております。あなたの想い出の時計、もう一度輝かせてみませんか?
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