2026.05.04WATCH REPAIR
「親から譲り受けたけれど、真っ黒で動かない」 「メッキが剥がれてボロボロだけど、もう一度使いたい」
カルティエの「マストタンク」は、シルバー925に金メッキを施した「ヴェルメイユ」技法が特徴ですが、繊細ゆえに変色や剥がれに悩まされるオーナー様が非常に多いモデルです。
カイドージュエリーでは、外装の「5ミクロン厚金メッキ」と、内部の「オーバーホール」を組み合わせたトータルケアで、大切な時計を蘇らせます。
1917年、創業者ルイ・カルティエによって生み出された「タンク」。その驚きのインスピレーション源は、第一次世界大戦中に登場した「戦車(タンク)」でした。
戦車を上から見た際の、無限軌道(キャタピラー)と車体のライン。それをラグとケースが一体化した直線的な意匠へと昇華させたのです。当時の宝飾時計が「円形」主流だった中、この革新的な四角いフォルムは、世界中のセレブリティを虜にしました。
1970年代に登場した「マスト」シリーズは、その気高きデザインをより多くの人が手にできるよう作られた、カルティエ史に欠かせない傑作です。
今回お預かりしたクォーツモデルは、まさに「戦い抜いた戦車」のような状態でした。

本体ケース: 全体に重度の酸化(変色)が進み、特に四隅はメッキが完全に剥がれ落ちています。
打痕(凹み): 長年の使用による衝撃で、ケースに深い凹みが見られます。

不動: 電池交換をしても動かない状態。内部油の劣化や、汚れによる引っ掛かりが疑われました。
まずは時計を完全に分解。不動の原因を突き止め、内部洗浄と注油を行うオーバーホールを実施しました。これにより、止まっていた時が再び正確に刻まれ始めます。
深い打痕や凹みを、熟練の職人が慎重に研磨して平滑に整えます。
本体ケース: 歪みのない、透き通るような「鏡面仕上げ」を施します。
裏蓋: 研磨後に繊細なラインを刻む「ヘアライン仕上げ」を施し、オリジナル同様の気品ある質感を再現します。
仕上げの要は、通常の修理店では類を見ない「5ミクロン」の極厚メッキです。
変色・剥がれへの耐性: 通常(0.1〜0.5ミクロン程度)の約10倍の厚みを持たせることで、地金の露出を防ぎ、深い黄金色を長く保ちます。
ネジの復元: 真っ黒だったネジも一つずつ丁寧に処理し、輝きを取り戻しました。
本体ケース: 四隅の剥げ は跡形もなく消え、打痕の凹み も無くなり、完璧な鏡面へと生まれ変わりました。
裏蓋: 真っ黒だったネジや酸化した裏蓋 が、ヘアラインの質感とともに美しく整列。購入時のような金色が誇らしく輝いています。
・研磨と再メッキ修理(5ミクロン) :38,500円
・オーバーホール(クオーツ・電池交換込み) :27,500円
動かなくなった、ボロボロになった……。そんな理由でカルティエを眠らせておくのはもったいないことです。カイドージュエリーでは、福井の店舗だけでなく、全国からの郵送修理も承っております。
あなたの想い出が詰まった「マストタンク」、私たちが再び輝かせます。
▼カルティエの再メッキ・オーバーホールのご相談はこちら https://kaido-co.jp/watch-repair/