2026.05.12WATCH REPAIR
「昔使っていたカルティエを久しぶりに出したら、真っ黒になっていた」 「電池が切れたまま放置していたら、動かなくなってしまった」
このようなお悩みでご相談いただくことは少なくありません。カルティエの「マストタンク」は、シルバー925に金メッキを施した「ヴェルメイユ」という非常に繊細な造り。長期間の放置は、外装の変色だけでなく、内部機械へも深刻なダメージを与えます。
今回は、外装・内装ともに「満身創痍」の状態から蘇らせた、カイドージュエリーの修復技術をご紹介します。
今回お預かりしたマストタンクは、おそらく10〜20年ほど放置されていたと思われるコンディションでした。
外装の変色(硫化): ラグ(ベルト接合部)を中心に、表面も裏面も酸化が進み、本来のゴールドが全く見えないほど真っ黒に変色しています。


メッキの剥がれ: タンク特有の症状である「四隅のメッキ剥がれ」が見受けられ、地金のシルバーが露出しています。

ベルトの尾錠(ビジョウ): 時計本体だけでなく、ベルトの金具(尾錠)までもが真っ黒に変色してしまっています。

内部の致命的なダメージ: 内部を確認したところ、電池から液漏れが発生しており、その腐食によって機械(ムーブメント)にサビが発生していました。

この状態から再び安心して身に着けていただくために、以下のトータルメンテナンスを施工しました。
液漏れによるサビを取り除き、パーツの洗浄・注油を行うオーバーホールを実施。止まっていた時を再び正確に刻めるよう、内部から救い出します。
四隅のメッキ剥がれ跡や小傷を、ケースのエッジを損なわないよう慎重に研磨。地金の面を滑らかに整えることで、再メッキの仕上がりが一段と美しくなります。
通常の再メッキ(0.8ミクロン以下)の数倍の厚みを持つ、「5ミクロン」の18金メッキを贅沢に施工します。
耐久性: 厚いメッキ層が地金を強固に保護。
輝き: 18金ならではの、しっとりと深く重厚な黄金色が復活します。

真っ黒だったケースが、周囲を鮮明に映し出すほどの鏡面へと生まれ変わりました。四隅の剥げも跡形なく、クリアな黄金色に包まれています。

変色で覆われていた裏蓋も、丁寧な磨きと厚金メッキによって、刻印が美しく浮かび上がる清潔感あふれる姿に復活しました。
研磨・再メッキ : 38,500円
オーバーホール : 27,500円
どんなに汚れてしまっても、動かなくなってしまっても、カルティエの名品「マストタンク」は直せる時計です。カイドージュエリーでは、今回のような重度の変色や内部故障も、1本ずつ丁寧に、情熱を持って修復いたします。
福井県の店頭はもちろん、全国からの配送修理も承っております。あなたの引き出しに眠っている大切な時計、もう一度輝かせてみませんか?
▼カルティエの再メッキ・オーバーホールの詳細はこちら https://kaido-co.jp/watch-repair/